| 会場:大阪市立美術館 | 会期:7/11(土)~9/6(日) |

猛き、儚き、大志の為に……
国芳の出世作、全74図一挙公開!!
歌川国芳の出世作「通俗水滸伝」シリーズ全74図が、大阪市立美術館で一挙公開される。国芳作品以外に、水滸伝の舞台を彩る中国美術の幽玄の世界も味わえる、大阪市立美術館開館90周年記念特別展「水滸伝」だ。
中国四大奇書の一つ『水滸伝』は、英雄たちの反逆を描く、北宋時代の史実をもとに成立した小説。12世紀、徽宗皇帝の治世を舞台に、腐敗した政権に不満を抱いた宋江率いる108人の豪傑が、梁山泊に集う物語である。
『水滸伝』は江戸時代の日本でも一大ブームとなり、曲亭馬琴や葛飾北斎、歌川国芳らによって、新たな物語や美術表現が展開された。現代でも、小説や漫画、映画、ドラマ、ゲームなど、多彩なメディアで広く親しまれている。
『水滸伝』にまつわる中国と日本の美術と資料を紹介するこの特別展では、英雄たちの生き様や価値観がどのように描かれ、受け取られてきたのかをたどることで、『水滸伝』が今なお人々を魅了する理由が探られる。

歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之一個 九紋龍史進 跳澗虎陳達》 江戸時代・文政10年(1827)頃 個人蔵
展覧会の見どころ
1:中国美術、日本美術の名品が競演!
『水滸伝』を切り口に、北宋の至宝から、葛飾北斎や歌川国芳、『ゴルゴ13』のさいとう・たかをまで幅広い作品が紹介される。
2:歌川国芳の出世作「通俗水滸伝」シリーズ 全74図を一挙公開!
写真撮影OK!
「通俗水滸伝」シリーズは、日本における『水滸伝』ブームのきっかけの一つともなった、ドラマチックで精彩な英雄像。中国の『水滸伝』図像を摂取しつつ、国芳ならではの創意にあふれた傑作である。
3:豪傑たちの生きた世界や『水滸伝』に熱中した人々を知り、水滸伝がもっと好きになる!
美術を通して、『水滸伝』の時代背景や世界観を紹介。『水滸伝』のさらなる魅力に出会うことができる。

歌川国芳《水滸伝豪傑百八人之一個 清河県之産武松》 江戸時代・文政10年(1827)頃 個人蔵
展示構成
第一章 梁山泊へようこそ
『水滸伝』の豪傑たちを鮮烈に描いた国芳の「通俗水滸伝」シリーズは、日本における水滸伝ブームを象徴するもの。この特別展では、「通俗水滸伝」シリーズの劇的な英雄像を入口に、物語世界へと入っていく。

歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之壱人 入雲龍公孫勝》 江戸時代・文政末‒天保前期(1828‒33)頃 個人蔵
第二章 豪傑たちの生きた時代
『水滸伝』の舞台となった北宋時代末期、都市経済と文化が爛熟していく一方で、格差や圧政が人々を苦しめた。繁栄と不穏が交錯する時代背景を、ここでは宮廷文化や文物を通してたどる。

燕文貴《江山楼観図》 北宋・10-11世紀 大阪市立美術館蔵 展示期間:7月11日‒8月23日
嵐の山水を緻密な筆致で描き出した北宋絵画の名品:燕文貴は太宗朝の宮廷画家。相国寺壁画制作に参加した。相国寺は北宋の都開封の最大の寺院で魯智深が菜園番をつとめた場所。

《青磁 水仙盆》汝窯 北宋時代・11世紀末–12世紀初
大阪市立東洋陶磁美術館蔵(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘
宮廷に愛された汝窯、静寂の美:北宋末に宮廷用青磁を焼いた汝窯のやきもので、現存例は世界でもわずか。本作は天青色(澄んだ空の色)の美しい名品である。
第三章 武侠小説・水滸伝の誕生と流行
北宋時代末期、宋江という盗賊一味の反乱があった。その史実を核として中国で生まれた『水滸伝』は、語り物や戯曲を経て小説として結実し、版本や図像を通じて多様に広がっていった。
第四章 拡張する英雄像
中国から江戸時代の日本へ渡った『水滸伝』は一大ブームを巻き起こし、葛飾北斎や歌川国芳らに描かれ、浮世絵や玩具、文学にも波及した。この章では、日本における『水滸伝』の広がりと変容をたどる。

葛飾北斎《新編水滸画伝》巻之一 江戸時代・文化2年(1805) 浦上蒼穹堂蔵
北斎の本領発揮!構図が生むドラマ:曲亭馬琴の水滸伝(初編)の挿絵。モノトーンと限られた色数で迫力ある場面を生み出し、江戸の水滸伝ファンを増やした。
第五章 忠義のゆくえ
『水滸伝』は現代まで読み継がれ、漫画、ドラマ、美術へと幅広く展開してきた。この章では、豪傑たちの「義」が今日の私たちにどのように映るかを考える。

さいとう・たかを《『水滸伝』第2巻 原画》 さいとう・プロダクション蔵
©さいとう・たかを/さいとう・プロダクション
劇画の巨匠(『ゴルゴ13』)さいとう・たかをが描く、迫力の人間ドラマ:和歌山出身、大阪育ちのさいとう・たかを。キャラクターの生きざまが表れた瞳や表情にも注目してほしい。
[information]
大阪市立美術館開館90周年記念特別展「水滸伝」
・会期 7月11日(土)~9月6日(日)
・会場 大阪市立美術館
・住所 大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)
・時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
・休館日 月曜日(ただし、7月20日、8月10日は開館)、7月21日
・観覧料 当日/一般2,000円、高大生1,400円、小中生500円
※会期中、一部の作品の展示替えを実施
※展示作品、会期などについては諸事情により変更する場合あり(展覧会公式サイトで要確認)
・TEL 大阪市総合コールセンター なにわコール/06-4301-7285(8:00~21:00、年中無休)
・URL 展覧会公式サイト https://www.yomiuri-osaka.com/lp/suikoden/
美術館公式HP https://www.osaka-art-museum.jp/
⚫︎この展覧会は東京ステーションギャラリー(9月19日~11月8日)に巡回予定