
柔らかな指先、風に揺れる髪。そして、その奥に潜む仄暗い感情。REIJINSHA GALLERYで3回目となるやちだけいの個展では、人が垣間見せる陰をテーマに、相克する内面を感じさせる女性像が展覧される。
個展に際し、やちだは次のように言葉を寄せた。
日々生きていく中でそれは突然に現れる。
いつどこで出来たかもわからないポツンと落ちたシミはゆっくり滲んで広がる。シミの正体は猜疑心だったり焦燥感だったり、口にするのも躊躇われる想いだったりする。シミ抜きが下手な自分にとっては少しばかり厄介で、長い時間を要しても真っ白に戻すことは難しい。鈍色に残った痕を見つめていると、血の通った肌に落ちる影の色に似ているような気がした。
人物画を描く上で人間を人間たらしめる要因の一つとして陰影の為す意味は大きい。ドラマティックに、あるいは刹那的に人という存在を浮かび上がらせてくれる。
柔らかい自然光の下の薄闇をぼうっと見ていると、誰かが佇んでいる気がする。仄暗く甘い情念を誰かに気取られないよう、口元に微笑みをはりつけて。
やちだけい
彼女たちの陰が見せる妖艶な美しさを、ぜひ会場で堪能してほしい。
[Profile]
やちだけい Kei Yachida
1990年
群馬県生まれ
2013年
阿佐ヶ谷美術専門学校IC科卒業
2022年
美人画ボーダレス弐2022(みうらじろうギャラリー/東京)
煌きの会(東武百貨店池袋店/東京)
個展「衣擦れの音」(REIJINSHA GALLERY/東京)
アウラ展(Gallery ARK/神奈川)
2023年
装幀画展10周年記念展文学とアートの出逢い(パレットギャラリー麻布十番/東京)
百花―春爛漫の絵画展―(東武百貨店池袋店/東京)
パンドラの箱2023(みうらじろうギャラリー/東京)※’21、’22年出展
2024年
小さな作品の表現展(Y art gallery/大阪)※’22、’23年出展
美の饗宴展(Gallery ARK/神奈川) ※’22年出展
翡翠の会-美女を彩るジュエルグリーン-(東武百貨店池袋店/東京)
個展「残り香は蒼く」(REIJINSHA GALLERY/東京)
-銀座・小町通り-百美人画展Galaxy of Beauties(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)
2025年
個展「玉響に」(The Artcomplex Center of Tokyo)※’17~’19、’22、’23年開催
30の顔2025(REIJINSHA GALLERY/東京)※’20~’23年出展
個展(美岳画廊/東京)※’23年開催
大美人画展 ~咲き誇る美~(東武百貨店池袋/東京)
2026年
個展「鈍色にゆれる」(REIJINSHA GALLERY/東京)
他、グループ展多数
現在、群馬県にて制作
[information]
やちだけい 鈍色にゆれる
・会期 5月15日(金)〜5月29日(金) ※本展は抽選販売です
抽選申込期間:5月15日(金)12:00 〜5月20日(水)12:00まで
・会場 REIJINSHA GALLERY
・住所 東京都中央区日本橋本町3-4-6 ニューカワイビル 1F
・電話 03-5255-3030
・時間 12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
・休廊日 日曜日、月曜日
・URL https://linktr.ee/reijinshagallery